Written by
tsuka-ryu
At
Sat Mar 28 2026
2026年3月の技術メモ
2026年3月に気になった技術的なトピックのメモ
毎月1本は技術記事を書こうと思っていたのですが、今月は何も書いてなかったので苦し紛れに更新します。業務でコードをほぼ書くことがない(泣)のですが、日々記事を読んだり本を読んだりはしてるので、そこら辺の断面を記録する意図でもあります。
Async React
Async Reactの話題をちらほら見ることが多かった。uhyoさんによる記事の影響なのかな。
await UI = await f(await state)の世界観で、より宣言的に考えるという感じっぽい。
なるほどと思いつつ、コンポーネントライブラリやルーター、データフェッチングライブラリなども含めての統合、ということでいまいちピンとくるようなこないような。いままでNext.jsなんかのフレームワークが解決していたところとの境界どうなるんだろう、という気持ちもありつつ、宣言的なのは良いことなので楽しみですな。
業務で複雑なフォーム周りの実装を見ていると、なんだかんだReact-hook-formを使って複雑さと型の部分で苦しんでいたりするので、そこらへんもReact本体でいい感じにしてくれないかな、と思ったりしないこともないです。
TypeScript 6.0 / 7.0
Announcing TypeScript 6.0の通り、6.0がリリースされました。7.0もあと数ヶ月で出るらしく、そこに向けたオプションの変更や、並行処理するためのお手当などが含まれてる感じですね。あとはes2025周りの取り込み。
悲観的なことを言うと、OxcなんかのRust実装のおかげで、リンター・フォーマッターはめちゃくちゃ高速化されたわけですが、TSがGoによる再実装で10倍速くなるとはいえ、そこがボトルネックになるのは変わらないのかなという気持ち。この変更で何がどれくらい変わるんですかね。Goのおかげで型推論周りですごい新機能が実装しやすい、とかあったりするんでしょうか。TSは機能的には十分な気もするのでまあ良いか。
Astro / Solid / Vite / Next.js
Astroは6.0 / 6.1がリリースされ、Solidは2.0betaがリリースされ、Viteは8でRolldownが正式統合され、Next.jsは16.2がリリースされ、と言う感じ。
自分の周りでは、Next.jsは否定的な意見がどんどん増えていて、新規プロダクトはAstro+Reactの組み合わせが多い。Tanstack Startなんかを取り入れている案件もあるくらい。微妙に迷走していたAstroがcloudflareに買われたのはよかった気がする。MPAフレームワークはメディアサイトなどで需要があるし、Next.jsでRSCをゴリゴリに使うにはちょっと腰が重いときに選択肢にしてもすぐにはなくならないな、と言う気持ちになった。Netlifyに買われたGatsbyやShopifyに買われたRemixのことが少し頭をよぎった。
Solidは筋は良さそう(?)なのに流行らないし、相変わらずReact一強感は揺るがない気がしているけど、SolidがAPIを結構変えて新たに思想出してきてるのはいい話な気がする。まあ個人的にはSignalがそんなにいいのか?というのはちょっと疑問だけど、確かにNuxt / Vueの実装を眺めることがあって読んでるとproxyで連動する様は美しいなあと思ったりはした。Nuxtは自分が触った範囲ではメモリ周りで気になることがあったけど、そこはSignalとは関係ないのかな。
Next.jsは目立ったリリースはなくて、AI周りとの統合っていう方向性が多い気がする。PPRやDynamic IO的なものはみんなが求めている方向じゃないんだろうなと言う気がする。leerob氏もCursorに行ってしまった影響も個人的には大きい気がしなくもない。与太話程度に。
後述するadapterの話はいい話だと思うけど、業務ではECSを使ったAWSの構成がほとんどであんまり影響がない。middlewareを復活してもっと自由にしてくれよ、とかエラーハンドリング周りの自由度を上げてくれよ、とかの気持ちがなくはない。コミュニティ的には素晴らしい話だと思う。
そういえばVinextなんてありましたね。
Vite+ / Void / Adapters / OpenNext
Vite+がOSSとしてリリースされた。Void Zero立ち上げ当初、Vite+でマネタイズするという話をチラッと見かけて無理では?と思ってたけどやっぱりそうね。とはいえOxc周りの登場により、急速にフロントエンドツールチェーンが大統一された感じがあり、すごいね。正直vpコマンドを使うかはわからないけど。npmxやe18eなんかの活動もVoid Zero周りの人がやってるのかな?新風吹きまくってて、眺めているだけでも小気味よい。
一方で(V)ite (O)ptimized (I)somorphic (D)eployが発表されてそっちかー、となった。Cloudflareに密結合する形で構成されたホスティングサービス?らしい。Deno deployとかそっちの方向と同じ感じなのかな。けどこれも成功するんだろうか。State of JS 2025のホスティングを眺めていると、Vercelはそれなりに成功してそうって感じだったけど、AWSがやっぱり強いのかなという気持ちでVoidを業務で使うことはないだろうなと遠目に眺めている。今見返すと、NetlifyやCloudflareもシェア結構あるな。
近い話で大きかったのがNext.js Across Platforms: Adapters, OpenNext, and Our Commitmentsだ。もともとAWSでISRしたりするのむずくてVercel一択だったのに対して、NetlifyやOpenNextなんかが頑張った結果が出た感じ。Next.jsはVercelにベンダーロックインされすぎていて批判を浴びてたのもあって動いたって感じかな。RSCになってキャッシュがより複雑になったけどそこらへんにも対応してるんだろうか?何も知らないな。
Cloudflareなんかでいい感じに動くのであればそれはそれで嬉しそう、Amplifyはうーんあんまり使いたくないけど手軽になるなら嬉しそうって感じ。結局Next.jsが今後使われ続けるのかどうかもわからなくなってきてるので、諸々、今後次第かな。OSSという文化の視点では良いことに思えます、たぶん。
Figma MCP
Figma MCPがちょこちょこ使われ始めているのを感じる。それにuse_figmaが生えたのが大きくて、Figma Makeを経由しなくても、デザインとコードを行き来しやすくなった。参考記事はazukiazusa氏のブログあたり。自分は本当に少しだけ触ってみたけど、設定何もしなくてもMCPさえあれば動いてよかった。
個人的にはコードファーストでデザイン不要だ!みたいなことを言ってるのはプロトタイプの世界で、あくまでデザイナーさんの道具はFigmaだろうと思ってるので、結局Figmaは使われる気がしている。ただ、AI周りのツールによってデザイナーさんが楽になるのであれば良いこと。
一方で、Figmaファイルの構造やデザインシステムの重要度が高まっている気がして、MCPを使うにしても整理されてないファイルだと効果は限定的に思える。デザイナーさんとのコミュニケーションをやっていかないといけないなあという気持ち。デザインの質がコーディングの生産性に影響するというのはちょっと難しい問題だ。
デザイナーのためのコンポーネント設計論
デザイナーのためのコンポーネント設計論がめっちゃよかったです。これ無料で読めるの助かる。エンジニアでも陥りがちな間違いや設計方針についてわかりやすく解説されていて助かりますね。今後も繰り返し読みたいと思いました。
デザインファイル自体の重要度も上がっていくこともあり、デザインを作成するフェーズにもっとエンジニアがコミットしていかないといけないと言う気持ちになる。かつアクセシビリティ観点で考えると、デザインや仕様の時点で気をつけたいことが多い。いままでは実装で誤魔化していたような微妙なデザインや仕様がアクセシビリティ観点で問題になることをちょこちょこ見かけるようになりつつある。
アクセシビリティ周り
アクセシビリティ周りは今年一番やりたいことだったのでちまちま進めている。社内の有識者にWCAG2.2の解説書を解説してもらったり、関連記事を読んだりしていてとても勉強になっている。自分も実際にアクセシビリティチェックができるようになっていきたい気持ち。WCAGに準拠するための実装方針やレビュー観点なんかも社内でナレッジを貯めていきたい。
masup9さんがAPG Pattern Exampleを実装されていたり、a11y-specialist-skillsを公開されていたりするので大変助かる。ここら辺も参考にしつつ社内でやらないといけないことを整理していきたい。
ハーネスエンジニアリングとモデルの進歩
最近業務で全然コードを書いていないし、趣味でも何もやる気が起きず映画ばっかり見ているのでAI周りのキャッチアップができていない。ハーネスエンジニアリングがどうの、と言う記事もちらほら見てますけど、hookやpre-commit的な部分でガードしていくのはいいと思いますけど、概念自体はそんなに目新しくないかなという印象で、ちょっと斜に構えて眺めています。
LLMに対するスタンスはnaoyaさんがRebuildで言っていた通り、変に最適化するような工夫をしても半年もすればLLM開発側が吸収してプロダクトに組み込んでしまうし、モデルも乗り換えのハードルがめちゃくちゃ低いのでそんなに焦ってキャッチアップしなくても良いかなと言う気がしています。
唯一今までと違うなーというのは並行開発的なことができる部分な気もするのですが、脳の負荷が高そうなので結局あんまり試せてないですね。業務でやれる機会があったら頑張りたいなあくらいの気持ちで構えています。
OpusもCodexも賢いし、Geminiもそこそこいいし、LLMバブルはどうなっていくんでしょうね。使えなくなるとそれはそれで困るけどって気持ち。CursorのComposer 2.0はKimiベースか何からしいので、そのうちOSSでまともなモデルが出てきて全部無料になったりしないかな。
あとAGI的なものはしばらく出てこなさそうだな、という気持ちも芽生えつつありますが、どうなんでしょうね。現状でも人間よりも賢い気はするのですが、いまのところ知性のようなものは感じない気がしなくもないです。むしろ人間が知性だと思っていたことの大半はただの言語ゲームで、LLMはそのゲームが上手い、というのが真相な気がします。アインシュタインやフォン・ノイマンのような感じにAIはなれるんでしょうか。
まとめ
フロントエンドエコシステム周りも、LLMも、Figmaやその周辺も目まぐるしく進歩はしていて、眺めていて飽きないですね。といっても本当に眺めているだけなので、それはどうなんだという気持ちはしつつ、何もできていないですね。虚無。ブログの盆栽もできてないし、来月は何かしたいです。それではまた。
最終更新: 2026年3月29日